クライアントとベンダーが契約し、プロトタイプの作成まで漕ぎ着けたとしても、そのプロトタイプは完全を約束してくれません。そこがAIビジネスの陥穽と言えます。

コストを掛けてプロトタイプを作成しても、アルゴリズムやパラメーターがほんの少しずれるだけで、チューニングし直さなければならないのです。ただ長期的な視座に立つと、AIの導入は間違いなく企業の利潤を上げてくれます。そこまで上手くAIを使いこなせるかが勝負の分かれ目になるでしょう。その意味で、AIビジネスへの投資効果は、AIについて深い知識を有しているかどうかによっても大きく変わります。

自信の持てない企業であれば、ROIを算出するのも難しいはずです。

特に教師データを自ら作成することを強いられる場合は、そのコストが相殺されるという見込みが無ければ危険です。もちろん維持管理にもコストが掛かるので、長期的な戦略が欠かせません。

もう少しイメージし易いように具体的に述べましょう。

AIを導入すれば、人件費の削減、生産性の向上、不良品の減少等が期待できます。その期待値がコストを上回る場合、早急に導入すべきだという結論になります。逆に下回るようであれば、慎重に検討しなければなりません。

ただこうした戦略は現実と同じだとは限りません。

特にベンダーとの連携の程度が大きな影響を与えます。